【現役教習指導員が教える】煽られる原因と対策:運転のポイント

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・なんで自分だけ煽られるのかな?煽られる原因は?

・煽られたときの対策は?

・煽られないための対策はある?

 神戸市で教習指導員として10年以上働いています。

 近年あおり運転が厳罰化され、だいぶあおり運転が減ってきた印象があります。
 路上教習の際にも、周囲の車が年々優しくなってきているような印象もありますが、怖い思いをすることも時々あります。
 

今回はあおり運転をされやすい行動や、対策についてお話していきたいと思います。

煽り運転を受けやすい行動

  • 車間に余裕がないところへの無理な割り込み
     無理な車線変更や合流時に、後続車に対して十分な車間距離を保たずに割り込むことは、煽り運転の原因となります。
  • みだりに追い越し車線を走行
     追い越し車線を走り続けることは、他のドライバーにストレスを与える要因です。高速道路の追い越し車線は前の車を追い越すためのものであり、走行車線に戻ることなく走り続けると法定速度であっても「通行帯違反」になります
  • 突然車線に飛び出しその後マイペースで走る
     急に車線変更や追い越しを行い、その後不用意にスピードを落として走ることは、後続車に対して不快感を与える原因となります。
  • 速度が安定しないムラのある走り
     速度が頻繁に変動する運転は、後続車にストレスを与えます。スムーズな運転を心がけましょう。
  • 意味のないブレーキを頻繁に踏む
     急ブレーキを頻繁にかけることは、後続車に驚きや不快感を与える要因です。

 これらの運転行為は、行っている本人は自覚がなく、悪気なく行われているケースがほとんどです。知らない間に周囲に不快感やストレスを与えている可能性があります。
 自分の運転行動が他の運転者からどう思われているかを常に考えて、思いやりを持ちながら運転することで、煽られるリスクを減らすことができます。

煽り運転をされない運転

  • ウインカーは早めに出す
     車線変更や合流時にはウインカーを早めに点灯し、意思表示を行うことが大切です。
  • 急な割り込みをしない
     車線変更や合流時には周囲の車の流れを考慮し、スムーズに移動しましょう。混雑している車線に対してどうしても車線変更をしなければならない場合は、方向指示器やアイコンタクトによって他車と十分にコミュニケーションをとり、ストレスなく車線変更ができるように努力しましょう。
  • 不用意にクラクションを鳴らさない
     クラクション(警音器)は、不用意にならしてはいけません。「危険を避けるためやむを得ない場合」のみ使用が許可されています。それを守らない場合は、「警音器の使用制限違反」という違反行為に該当します。
     クラクションは必要な場合にのみ使用し、他のドライバーに不快感を与えないようにしましょう。
  • ドライブレコーダーを設置する
     ドライブレコーダーは証拠を残すために役立ちます。万が一の場合に備えて設置しておくと安心です。特に煽り運転に対しては後方の状況を記録できるものが有効です
     また、実際には設置しないとしても、ドライブレコーダーを設置している旨のメッセージが書かれたステッカーを貼ることは有効です。

 周りをよく見て、常に思いやりを持ちながら運転することで、煽られるリスクを減らすことができます。意思疎通を大切にし、一呼吸おいた運転行動をこころがけましょう。

煽り運転をされた時の対処法

  • 冷静に対処する
     煽られても感情的にならず、冷静に対応しましょう。報復行為として急ブレーキをかけたり、挑発的な行動を取ったりしないように注意しましょう。
  • 安全な場所に避難する
     煽り運転をされた場合、できるだけ早く安全な場所に移動して停止しましょう。他の人の目につきやすい安全な場所に停止し、加害者の車をやり過ごしましょう。危険を感じたら、周囲に助けを求めることも大切です。
  • 警察に通報する
     煽り運転が危険な状況に発展する場合や、悪質で不快に感じた場合は、やり過ごした後でも警察に通報しましょう。
     その際はスマホカメラで撮影するなどして、加害者の車のナンバーや車の特徴を記録しておきましょう。加害者の車の情報を正確に記録できないと加害者の特定が困難となり、泣き寝入りするしかなくなる可能性があります。

 一人でパニックにならず、必要であれば周りの協力を得て冷静に行動することが何よりも大切です。

煽り運転に対する罰則

 令和2年(2020年)6月30日に「妨害運転罪」が創設され、いわゆる「煽り運転」が厳罰化されました。具体的な罰則は以下の通りです。

〇基本的な罰則(一般的な「あおり運転」)

 ・3年以下の懲役または50万円以下の罰金

 ・違反点数:25点

 ・免許取消し(欠格期間2年)

〇著しい危険を生じさせた場合(高速道路での停車など)

 ・5年以下の懲役または100万円以下の罰金

 ・違反点数:35点

 ・免許取消し(欠格期間3年) 

 これらの罰則は、事故を起こさなくても適用されるため、安全運転を心がけることが重要です。
 もし自分が運転中に、他の車の運転行動によって感情が高ぶってしまった場合は、その車から距離を取り冷静になりましょう。どんな時でも冷静に「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持って運転することが何よりも大切です。

まとめ

 煽り運転は、被害者に対して恐怖を与え、道路交通全体にも危険を与えます。自分が煽り運転をしないことはもちろんですが、煽り運転をされないための努力は有効です。
 もちろん煽る側が100%悪いのですが、人は感情で行動する生き物です。正しい行動よりも自分の感情が優先され、その場で正しくない行動を選んでしまうこともあります。それが加害者の行動原理です。
 加害者の感情を不用意に刺激しないための運転を考えて実践し、身を守る運転を心がけましょう。

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