著者:加藤光一
監修:坪田信貴
若い世代に共通する「承認欲求」。それは、他人からの肯定的な評価や賞賛を求める心の動きです。特に若者は、この欲求が強く、この欲求を正しく理解し、肯定的なフィードバックを与えることで、その成果やモチベーションを向上させることができるのです。
1. 承認の力
- 「認められたい」という気持ちは、特に若い世代に強くあります。
- 何かを成し遂げたときに、それを認められると、やる気が湧いてきます。実は、このときにドーパミンという脳内物質が分泌されるのです。
- ただし、失敗したときに「ドンマイ」と言うのではなく、「ナイストライ」と努力を評価することが大切。
2. 叱りの効果について
- 人を叱ることで、その人の行動を変えようとするアプローチを「フィアアピール」と言います。しかし、これは短期的な効果しかもたらしません。
- 相手を理解するためには、一度や二度の説明では足りません。実際、平均で532回ものリピートが必要とされています。
- なので、「常識だろ」と放っておくのではなく、きちんとした説明が求められます。
3. ほめのテクニック
- ほめることは、ただのお世辞ではなく、他人を真摯に認め、その現状を受け入れる行為です。
- ほめる技術は訓練できます。実際に「ほめロープレ」を行って、効果的なほめ方を学びましょう。
- また、目標の進捗が60%のとき、まずその60%を認めてから、残りの40%に取り組む点をアドバイスすることが大切。
4. 若者とのコミュニケーション
- 現代の若者は合理的で科学的な思考を持っています。明確で率直な説明を求めています。
- また、信頼関係の築き方として、日常の「あいさつ」が非常に大切。さらに、肯定的な言葉を添えることで、その効果は倍増します。
5. ほめ方10選
- すぐほめ:行動したその瞬間にほめる。
- 最初ほめ:初めての出会いでも、何かひとつでもほめるポイントを見つける。
- 原因ほめ:失敗の背景や原因を理解して、それをほめる。
- 拡大ほめ:小さな成功を大きくほめる。
- 比較ほめ:他の事例と比較しての成功をほめる。
- プロほめ:「これはプロの仕事だね!」と高いレベルを評価する。
- 質問ほめ:疑問点や質問のクオリティをほめる。
- 第三者ほめ:他の人の評価を引用してほめる。
- つぶやきほめ:日常の些細な点でも、それを見逃さずほめる。
- ほめきり:ほめるポイントを明確にして、過度なほめを避ける。
感想
私自身が教習指導員なので、内容がそのまま自分の人生に刺さるものだった。Z世代に関する著書も読んだが、それ以前の「ゆとり世代」から、もう既に承認欲求による支配は始まっている。
承認欲求に対して正しくアプローチすることで、教習の効果が最大化することはわかっているが、どうしても厳しく指導してしまう場面がある。命に係わる判断ミスや操作ミスをしたときに、そのことの重大さを理解してもらおうと強い口調になることがある。いまだそれに対して100%悪いことだと思えない自分もいるが、ほめることの重要性に関しては再認識することができた。
特に、ほめ方についてロジカルにたくさんの種類を挙げて説明されているのが印象的だった。目的達成のために効果的に活用したいと思う。
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